2021年度 理事長所信

公益社団法人 三島青年会議所

2021年度理事長 深澤 友晴

 

 

合縁機縁

~愉しくなければ~

 

1.はじめに

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって世界は変わりました。あらゆることに影響が及んでいます。どのように生活をし、人と交流するのか。どのように働き、コミュニケーションをとるのか。私たちの生活のあらゆる面が影響を受け、日々、生命の安全と経済活動という難しい選択を迫られています。三島青年会議所もまた、その活動に大きな影響を受けています。当たり前と思っていた日常が失われた今だからこそ、「新しい日本の再建は我々青年の仕事である」という覚悟のもと、「ひとづくり」「まちづくり」「教育」「国際社会」「環境」など様々な分野において、青年としての正義感、理想を追求する心、真摯な情熱という価値観を胸に、それぞれの時代で人は変わり、手法や表現は異なっても、脈々と受け継がれてきた創始の「志」が大切だと信じています。

 「先を予測して、点と点をつなげることはできない。あとで振り返って点のつながりに気付けるだけだ。だからこそ、その点が、将来何らかのかたちで必ずつながっていくと信じなくてはならない」未来を見通していたかのように数々の偉業を成し遂げてきた「イノベーションの巨人」として知られているスティーブ・ジョブズ氏が、先を予測して点と点をつなげることができないと言及したスピーチの一節です。大切なことは、過去から容易に導くことができない事態が頻発する中で、過去から学び、多種多様なイノベーションを日々生み出すために、必ずつながると信じて「点」を打ち続けることです。

 新しい出会いや機会は、更なる出会いや機会を生み出し、自らの環境に変化を生み出します。その変化が「点」となり、組織や自らを成長させ愉しい場をつくりだしていきます。

 

2.ひとを育む

 「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のよいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」というビジネスや政治の世界で好んで使われる名言があります。賛否はあると思いますが、私は一理あると思います。

組織の変化対応には、トップのリーダーシップも大事ですが、それよりも重要なのは、関係するすべての人に「当事者意識」があるかだと思います。当事者意識が低ければ、変化に対する感度が鈍く、社会の新たな問題や課題の変化に対応できません。当事者意識がある人は、変化に触れると、自ら考え、主体的に問題解決をしようとする意識が働き、その真意を理解しようとします。また、社会の新たな課題を皆で共有することで、更なる可能性も広がります。新型コロナウイルスのような影響で、社会が大きく変化を必要としたとき、予測もできない様々な問題や課題がでてくる可能性があります。逆風の中で、生き抜く力を持つことが社会の発展と、混沌とした時期を脱することにつながります。主体性を持って、様々な機会に挑戦する、変化に強い人材を育む必要があると考えます。

 

3.子どもを育む

子どもたちが、生き生きと自分らしさを発揮できる社会をつくることは我々大人の責務です。我々が、自らの社会的責任を果たしているか、また、子どもたちに「生きる」ことの意味を教えられているか、考えてみる必要があります。

「何のために生まれて何をして生きるのか、答えられないなんて、そんなのは嫌だ」

やなせたかし氏が作詞したアンパンマンのマーチの歌詞の一部です。私たちは、生きているのではなく、家族や仲間に支えられ、地域に支えられ、日本という国家に守られて生かされています。生かされているとしたら、何のために、生きているのでしょうか。アンパンマンのマーチは、子どもたち誰もが「嬉しい」と言える「生きる喜び」を感じるような世界を、それぞれの与えられた場で、それぞれの力で創り上げることを訴えています。子どもは未来を築きます。この子どもたちに大人として、何ができるかと考えると、難しく思えますが、大切なのは地域の大人たちが精一杯生きている姿を見せていくことです。子どもたちはその姿を見て育つのです。その上で、溢れんばかりの子どもたちの能力や魅力、個性を限りなく引き出し、アンパンマンのいう「生きる喜び」を地域の子どもたちと分かち合えるような活動をすすめてまいります。

 

4.地域を育む

人と人とのつながりは新しい視点を生み出し、組織と地域を活性化させます。

これまで我々は人と人がつながり、地域の住民自らが主体的、自発的に参画、協働していくことで、間違いなくこの地域が発展すると考え、様々な事業を行ってきました。

グローバル化し、人・モノ・情報がボーダーレスで移動・流通することが当たり前となった世界において、これらが分断されることはあり得ないし、あってはなりません。人と人の相互理解と連携をこれからも大切にしていく必要があります。一方で、そのつながりが変化している現状があります。日本政府が提唱しているSociety5.0の中で、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことを社会が目指しています。新型コロナウイルス感染症対策の一環として、さまざまなIoTシステムの活用が始まり急速に普及し始めたことを実感しています。働き方や生き方についての価値観が多様化し様々なライフスタイルを実現することが可能となり、地方移住のボトルネックであった仕事についてもICTInformation and Communication Technology)などを活用した場所にとらわれない柔軟な働き方により大きく変わりつつあります。素晴らしいこの地域の資源を最大限に生かすためにも、人と人のつながりを大切にし、様々な社会動向を的確に好機と捉え変化に伴って生み出される新たな価値を地域活性につなげる必要があります。

 

5.会員拡大と組織進化

 厳しい経済状況下、様々な団体が存在する昨今、会員数の減少は全国のLOMで大きな問題として取り上げられています。2019年度、三島青年会議所は33名の拡大に成功し拡大数日本一(50名以下の部)となりました。2020年度スタート時点にて会員数67名となり一時的に危機を脱したかに思えます。しかしながら、年齢制限を設け、常にメンバーが入れ替わっていく組織であるからこそ、変わることのない文化として会員拡大の推進を定着させていくとともに、入会したにも関わらずその後の活動に目的を見出せず、メンバーが退会していくことのないように、会の目指す方向性を理解し、一人ひとりが目的をもって活動をする中で、自身の成長に寄与することのできる仕組みづくりが必要です。

組織とは閉鎖的になる傾向があると言われています。特定の相手との安心に基づく関係を形成すると、外部の人間に対する信頼感はむしろ低下し、関係性が強固になると意図的、無自覚にかかわらず排他的になります。排他的組織には均一化が進み、似た者同士が所属する組織には安心感が得られますが、青年会議所活動の観点からすると弊害につながると思えます。三島青年会議所として、様々な視点で運動を実施するためにも多様性を持ち合わせた仲間と共に活動を展開する必要性を感じます。会員拡大数の目標はもとより女性会員や若年層、サラリーマンや公務員の拡大など、様々なバックグラウンドを持ち合わせる多様性ある人たちが入会し活動しやすくなる環境を整備することも自然に人々が集う組織に必要なことです。

青年会議所活動への一番の理解者は入会者だと思います。「明るい豊かな社会」を実現しよう、この地域を良くしようという想いを共有できる一人でも多くの市民を育むことが大切です。その為にも三島青年会議所の運動や事業をさらに多くの方に知っていただき、参加・参画していただく必要性を感じます。市民を動かせない情報発信は単なる自己満足でしかありません。このような時代だからこそ受け止め手の心の琴線に触れる情報を届ける必要があります。社会変化のスピードに対応した発信をしていかなければ、どんな良い運動を行ったとしても価値がなくなってしまいます。60周年を迎える今だからこそ「青年会議所だからできること」をしっかりと明示しこの地域における存在意義を改めて発信する必要があります。

 三島青年会議所は2013年度に公益社団法人として新たな一歩を踏み出しました。そして、現在まで、公益法人として組織進化を図り、地域に向け様々な公益事業を実施してきました。しかし、公益法人格ゆえに機動的で柔軟な活動が難しい現状も見受けられるとし、2018年度より適正な法人格について、協議を進めてまいりました。公益社団法人日本青年会議所においても、サマーコンファレンス2019において「各LOMに適した法人格移行についてのセミナー」を実施しています。そのセミナーにおいて青年会議所の目的は「明るい豊かな社会の実現」であり各地方の社会問題の解決、活性化に向けて機動的な法人格の適用の必要性が語られました。三島青年会議所として適正な法人格を改めて選択する時が来たと考えます。

 

6.終わりに

1962922日に全国217番目のLOMとして承認された三島青年会議所は2021年度で創立60周年を迎えます。これまで59年間の長きにわたって運動をつないできた先輩諸兄や青年会議所の運動にこれまで関わってこられた方々に感謝の意を表します。

59年間の三島青年会議所の歴史の中で、多くの出会いがあったと思います。その出会いこそが一番の財産だと青年会議所に私は教えていただきました。人生を愉しくするのも、地域を愉しくするのも、この出会い「縁」ではないかと思います。

縁あって三島青年会議所に入会し、縁あって○○君と出会い。縁あって理事を経験し、縁あって○○先輩に怒られ、縁あって理事長を務めさせていただけることになり、縁あって会員に助けられ、愉しい日々、愉しいこと、愉しい人、皆様のおかげで三島青年会議所に私の思う「愉しい」があります。

この縁に感謝と喜びの心をもち、そのつながりを大事にしていく。そんな想いで続いてきた三島青年会議所を今後も未来へとつないでいきましょう。それが明るい豊かな社会の実現につながることを信じて。